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代謝シグナルががん細胞の移動を抑制する

Nature ダイジェスト Vol. 16 No. 10 | doi : 10.1038/ndigest.2019.191036

原文:Nature (2019-07-04) | doi: 10.1038/d41586-019-01934-9 | Metabolic signal curbs cancer-cell migration

Lydia W. S. Finley

転移、つまり腫瘍細胞が原発部位から移動することは、予後不良と関連している。細胞代謝の際に作られる分子(代謝物)が転移を制限し、がんの進行を抑制することが明らかになった。

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Science Photo Library - SUSAN ARNOLD/NATIONAL CANCER INSTITUTE/Brand X Pictures/Getty

腫瘍細胞が体内の原発部位から拡散して離れた器官に侵入すると、がんは致死的になる。この過程は転移と呼ばれ、この複雑な事象が起こるには、腫瘍細胞が周囲の組織に侵入して血流に入り、別の場所に定着する(転移巣と呼ばれる二次腫瘍が形成される)必要がある。細胞移動など、転移の初期段階のいくつかでは、正常な発生プログラムが異常に活性化されることがあり、上皮間葉転換(EMT)の誘導が起こる。EMTにより、体の表面を覆う上皮細胞は、移動特性を持つ間葉細胞の特徴を獲得する1。このほど中国科学院および中国科学院大学、広州大学(中国)に所属するXiongjun Wangら2が、細胞代謝で作られる分子がEMTの誘導を阻害することでマウスの肺がんの転移を抑制することを特定し、Nature 2019年7月4日号127ページに報告した。これは、これまで知られていなかった機構である。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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