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本庶佑氏がノーベル医学・生理学賞受賞!

Nature ダイジェスト Vol. 15 No. 11 | doi : 10.1038/ndigest.2018.181103

免疫チェックポイント阻害剤によるがん治療を切り開いた本庶佑氏とジェームズ・アリソン氏に、2018年のノーベル医学・生理学賞が贈られる(ノーベル賞各賞に関する記事は12月号に掲載予定です)。

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MEXT/CC BY 4.0

カロリンスカ研究所(スウェーデン・ストックホルム)は10月1日、免疫チェックポイント阻害剤という新たながん治療を切り開いた本庶佑(ほんじょ・たすく)氏(京都大学特別教授、神戸医療産業都市推進機構理事長)とジェームズ・アリソン氏(James Allison;米国テキサス大学教授)に2018年のノーベル医学・生理学賞を授与すると発表した。賞金は等分。

PD-1は1992年、細胞死が誘導された活性化T細胞(免疫細胞の一種)の表面に強く発現する謎の分子として、本庶氏の研究室の大学院生であった石田靖雅(いしだ・やすまさ)氏(現 奈良先端科学技術大学院大学准教授)により単離された。本庶氏のグループはその役割の解明を進め、2000年にはリガンド分子PD-Lも発見。この分子は、PD-1を介して自己免疫を抑制するが、心臓や肺などの細胞の他、がん細胞も発現する。PD-1とPD-Lの結合を防ぐことでがん治療が可能と考えた本庶氏は、抗PD-1抗体薬の開発に着手し、「オプジーボ」として世に送り出した。

一方のアリソン氏は、活性化T細胞表面に多く発現し、T細胞の不活化シグナルを伝達する分子CTLA-4(別の研究チームにより1987年に発見)の機能を調べる過程で、CTLA-4に刺激が入らないようにふさぐ抗体を作ればT細胞を活性化できると考えた。そして1996年、マウスで行った抗CTLA-4抗体によるがん治療結果を発表した。

本庶氏は、抗PD-1抗体によるがん治療研究の他、抗体のクラススイッチを切り替える酵素AID(活性化誘導型シチジン脱アミノ化酵素)を発見し、その分子機構を次々と明らかにした。薫陶を受けたという恩師、故早石修(はやいし・おさむ)氏との出会いについては、2016年10月号26ページ「握り飯より柿の種、早石修先生の志を継いで」(nature.asia/NDJA-1610)を参照されたい。

(編集部)

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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