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18 July 2018
体内のカロリー燃焼を促進する意外な分子
脂肪組織の走査電子顕微鏡像。 Credit: STEVE GSCHMEISSNER/SPL/Getty
体重を減らす方法には2通りある。1つは、カロリー摂取量を、体で代謝に使われるエネルギー量よりも少なくすること、もう1つは、運動などを行って、代謝で燃焼されるカロリーを増やすことだ。ダナ・ファーバーがん研究所およびハーバード大学医学系大学院(いずれも米国マサチューセッツ州ボストン)のEvanna L. Millsらはこのほど、栄養素の代謝の過程で生じる分子がカロリー燃焼を誘導するという驚くべき事実を発見し、Nature 8月2日号102ページで発表した1。この代謝産物はコハク酸と呼ばれ、褐色脂肪組織でのエネルギー消費を活性化する。実際に、コハク酸を添加した水をマウスに与えると、体重増加が抑制されることも示された。
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翻訳:山崎泰豊
Nature ダイジェスト Vol. 15 No. 11
DOI: 10.1038/ndigest.2018.181136
原文
An unexpected trigger for calorie burning in brown fat- Nature (2018-07-18) | DOI: 10.1038/d41586-018-05619-7
- Sheng Hui and Joshua D. Rabinowitz
- Sheng Hui and Joshua D. Rabinowitzは、プリンストン大学(米国ニュージャージー州)に所属。
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訂正:第3パラグラフおよび図の説明文について、脱共役タンパク質1(UCP1)が介するプロトン輸送に関する記述に誤りがございました。本文は訂正済みです。
(誤)マトリックスから膜間腔へと輸送される
(正)膜間腔からマトリックスへと輸送される
参考文献
- Mills, E. L. et al. Nature 560,102–106 (2018).
- Cannon, B. & Nedergaard, J. Physiol. Rev. 84, 277–359 (2004).
- Rosen, E. D. & Spiegelman, B. M. Cell 156, 20–44 (2014).
- Nedergaard, J., Ricquier, D. & Kozak, L. P. EMBO Rep. 6, 917–921 (2005).
- Harms, M. & Seale, P. Nature Med. 19, 1252–1263 (2013).
- Carey, A. L. et al. Diabetologia 56, 147–155 (2013).
- Chouchani, E. T., Kazak, L. & Spiegelman, B. M. J. Bio. Chem. 292, 16810–16816 (2017).
- Enerbäck, S. Cell Metab. 11, 248–252 (2010).
- Hui, S. et al. Nature 551, 115–118 (2017).