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次世代シーケンサーで、研究も医療も変わる!

菅野 純夫・小川 誠司

Nature ダイジェスト Vol. 11 No. 7 | doi : 10.1038/ndigest.2014.140714

ゲノム配列を高速で解読できる次世代シーケンサーが米国などの数社から製品化され、さまざまな基礎研究や応用分野で活発に使用されるようになってきた。この装置で具体的にどんなことが可能なのか、ゲノム解析技術の開発や整備に長年関わってきた東京大学の菅野純夫教授と、次世代シーケンサーを使った研究成果を次々と発表している京都大学の小川誠司教授に、医学や医療の分野を中心に話を聞いた。

菅野純夫氏(左)と小川誠司氏(右)。

–– Nature ダイジェスト:2003年に完了したヒトゲノム計画で使用されたのは第1世代のシーケンサー。そして、現在出回っているのは「次世代型」。両者の違いは?

菅野純夫:DNAの塩基配列を解読する装置をシーケンサーと呼びますが、第1世代と次世代型では、DNAの処理スピードが全く違います。ヒトゲノムを解読するのに、第1世代では3年以上を要したのですが、次世代型ではわずか6日程度でできるのです。

小川誠司:私は、もともとは血液内科医で、がんの研究をしてきました。がんはゲノムの変異により引き起こされる病気なのですが、2000年代初頭に、患者さんのゲノムを網羅的に調べる方法はないかといろいろ模索していたのです。2005年、京都で開かれた国際ヒトゲノム会議で、米国のベンチャー企業ソレクサ社の若い人が当時開発中の次世代シーケンサーについて発表しているのを聞き、感心しました。

長いゲノム配列を25塩基ずつに切断して読み、ヒトゲノムの参照配列と比較すれば、その25塩基の位置を決めることができる。そこで、25塩基を200万個読めば、ヒトゲノムの相当部分が読破できる。塩基の解読は、一塩基ずつが発する光を写真に撮って検出する、といった斬新な仕組みなのです。これが実用化されればゲノム配列を直接解読できると期待が膨らみました。ソレクサ社はその後イルミナ社に買収されて、イルミナ社から現在主流の次世代シーケンサーが発売されたわけですが。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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