Nature ハイライト

幹細胞:血液幹細胞の増殖

Nature 571, 7763

造血幹細胞は、骨髄から単離して血液再生の研究に利用でき、また臨床使用も可能で、移植によって血液疾患やがんを根治できる。しかし、造血幹細胞をin vitroで増殖させて研究に用いることは非常に難しく、移植に適合するドナーは不足しており、現状では、有害となり得る放射線照射処置を移植前に行う必要がある。中内啓光(米国スタンフォード大学ほか)たちは今回、マウスとヒトの血液幹細胞の培養条件を体系的に最適化して、複数のサイトカインと、ポリビニルアルコールを含む培地成分の組み合わせで、血液幹細胞の500倍以上の増殖を達成できることを見いだした。さらに、この培養後の血液幹細胞は、マウスで放射線照射なしに生着できる。

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