Nature ハイライト

Cover Story:流れによる成長:脊椎動物の胚は組織がガラスのように「融解」して形成される

Nature 561, 7723

表紙は、脊椎動物の胚の後方への体軸伸張を表したレンダリング画像で、組織の形態形成とガラス成形の間の類似性を浮き彫りにしている。今回O Campàsたちは、組織の機械的特性のin vivo測定、細胞動態の解析、理論モデルを組み合わせて、ゼブラフィッシュ胚の組織形態形成の背後にある物理的機構を明らかにしている。体の後端では細胞スケールの応力の変動が大きく(鮮やかなオレンジ色の部分)、これによって組織は「融解」して液体に似た状態になり、変形できるようになる。体の伸張が進むと、細胞スケールの応力変動は小さくなり(青色の領域)、組織が「凍結」して固体に似た状態になり、組織構造が確立する。この液体から固体への転移は、泡に似た組織構造における細胞ジャミングに起因する。

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