Nature ハイライト

Cover Story:解析して判断:「分子の手書き文字」をパターン認識するDNAベースのニューラルネットワーク

Nature 559, 7714

化学勾配に従う細菌でも複雑なにおいを選別するヒトでも、分子パターンを認識する能力は生物の重要な属性である。DNAベースのニューラルネットワークは分子コンピューティングで同じタスクを実行できるが、これまでは4ビットでできたわずか4通りのパターンに限定されていた。今回L Qian とK Cherryは、これを100ビットからなる9通りに増やし、10 × 10ピクセルの格子に書かれた1~9の数字を正確に識別できるシステムを実証している。このネットワークは、「勝者総取り」の競争戦略を用いて、その出力を洗練させ、何の数字を見ているかを決める。与えた100ビットのパターンのうち30ビットを反転させても(手書き文字のばらつきに似ていても)、ネットワークは元のパターンを正確に「思い出し」、数字を認識する。この結果は、分子計算回路が記憶に似た何かに基づいて、非常に複雑で雑音の多い情報を分類できることを示唆している。

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