Nature ハイライト

Cover Story:モナ・リザの微笑み:DNAナノ構造体の大規模な自己集合体に再現されたダ・ヴィンチの名作

Nature 552, 7683

表紙は、DNAの自己集合で作られた8704ピクセルのキャンバス上に描き出されたモナ・リザである。二次元DNAナノ構造体を用いてナノメートルの精度で表面にパターンを作ることは目新しくはないが、これまではサイズが約0.05 μm2以下に限定されており、多くの潜在用途には小さ過ぎる。今回L Qianたちは、多段階集合過程全体を通して単純な集合規則を再帰的に適用すると、少数の特異なDNA鎖一式を用いて、最大で0.5 μm2の二次元アレイを形成できることを明らかにしている。今週号では他にも同様の研究が3編報告されており、三次元DNA構造体のサイズも拡張されている。P Yinたちは、新世代のDNAレンガを用いて、1万以上の要素からなるナノ構造体を作り、これを整形して文字やテディベアなどの物体を作り出した。また、H Dietzたちは、形状と相互作用パターンを最適化したDNA構成要素を用いると、多段階過程で大きな物体を効率よく作製できることを示すとともに、所望のDNA 鎖を作るスケーラブルでコスト効率の高い方法も実証している。さらにNews & Viewsでは、F ZhangとH Yanが、こうした進歩を関連付けて説明している。

2017年12月7日号の Nature ハイライト

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