Nature ハイライト

ナノスケール材料:膜中の間隙サイズのカチオンによる制御

Nature 550, 7676

これまで、酸化グラフェン膜は、イオンをふるい分ける手段となる可能性があり、浄水などさまざまな応用に役立つ可能性があると報告されてきた。今回、イオン自体を用いて層間隔を制御する簡単な代替法が実証されている。特定のカチオン(例えば、Mg2+、Li+、Na+)を含む水溶液に浸した酸化グラフェン膜を取り出して解析したところ、カチオンの種類を変えることによって酸化グラフェンシートの間隔を精密に制御でき、イオンサイズが小さくなると層間隔も狭くなることが示された。層間隔の狭い膜はより大きなカチオンを通さないため、こうした層間隔の制御によってイオンのふるい分けが可能になった。追加実験によって、層間隔を制御するカチオンはオキシド基と芳香環が共存する領域に吸着していることが明らかになった。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度