Nature ハイライト
構造生物学:ポリコーム様タンパク質の結合パワー
Nature 549, 7671
ポリコーム抑制複合体2(PRC2)は転写抑制に関わる多サブユニットタンパク質複合体だが、それがDNAの特定の部位に誘導される仕組みは十分に解明されていない。今回Z Wangたちは、PRC2関連ポリコーム様(PCL)因子であるPHF1とMTF2について、DNAとヒストンペプチドが結合した状態の複数のドメインの結晶構造を決定した。これら2種類のPCLタンパク質のEH(extended homologous)領域は、ウィングドヘリックス構造に折りたたまれていることが示され、これらはCpGを含むメチル化されていないDNAモチーフに結合するが、その際の結合機構は予想外のものであることが明らかになった。また、PCLタンパク質のこれらのEH領域がクロマチンへのPRC2の誘導に非常に重要な機能を持っていることも分かった。
2017年9月14日号の Nature ハイライト
遺伝学:4Dヌクレオームプロジェクト
がん:脳腫瘍細胞の階層性
構造生物学:リポ多糖の輸送は「トラップ・アンド・フリップ」機構によっている
ナノスケール材料:磁性体による熱電性能の向上
気候科学:氷河の運命に立ちはだかる気候目標
進化学:ポリプテルス類の起源を紐解く
微生物学:栄養素欠乏状態での硝化
幹細胞:m6Aによる幹細胞の運命指定
構造生物学:ポリコーム様タンパク質の結合パワー