Nature ハイライト

生化学:ホルムアルデヒドの解毒が一炭素代謝を促進する

Nature 548, 7669

葉酸は、ヌクレオチドやアミノ酸の合成に関わる生化学サイクルの一群である一炭素(1C)代謝の必須な補因子である。K Patelたちは今回、葉酸誘導体がin vivoで細胞内ホルムアルデヒドを生成する経路を解明している。ホルムアルデヒドはDNAとタンパク質を架橋させる働きがあり、この化合物に対する保護作用を持たない細胞にとっては毒性がある。アルコールデヒドロゲナーゼADH5による内因性ホルムアルデヒドの解毒は、無害な1C単位であるギ酸を生成して、ヌクレオチド合成を促進する。ホルムアルデヒドはこの経路によって1C単位の供給源を提供し、アミノ酸のセリンがない場合に必須代謝と細胞増殖の維持を可能にしていることが分かった。この研究は、ホルムアルデヒドの主要な代謝経路における位置付けを示すとともに、これらのサイクルのいくつかの特性が特定のがん細胞の標的化にどのように使えるか、手掛かりを与えている。

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