Nature ハイライト

量子物理学:二体相互作用を観察する

Nature 546, 7659

トポロジカルバンド構造や対応するエッジ状態、量子ホール効果を中性原子でシミュレートするには、人工ゲージ場を導入する必要がある。これは困難なことではあるが、最近さまざまなグループが、極低温中性原子系において人工ゲージ場を実証している。しかし、これまで、こうしたシミュレーションは単一粒子効果に限られていた。つまり、分数量子ホール効果などの多くの魅力的な凝縮物質現象を研究できなかったのである。今回著者たちは、ルビジウム87原子の二次元ボース・アインシュタイン凝縮体に人工ゲージ場を導入し、量子気体顕微鏡を用いて、二体相互作用がカイラルダイナミクスにどのような影響を与えるかを調べている。この方法を多体相互作用に拡張できれば、物性物理学における多体相互作用とトポロジーの相互影響をシミュレートできる可能性がある。

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