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構造生物学:グルタミン酸受容体の脱感作状態

Nature 537, 7621

AMPA型とカイニン酸型のグルタミン酸受容体サブタイプはリガンド依存性のイオンチャネルで、中枢神経系でのシナプス伝達を仲介している。これらの受容体の「静止」状態と「脱感作」状態では、イオンチャネルは共に閉じているが、リガンド結合ドメイン層は著しく異なるコンホメーションをとっている。今回、カイニン酸受容体GluK2サブタイプについて、脱感作状態の高分解能低温電子顕微鏡構造が報告された。その構造から、リガンド結合ドメイン中でリング様構造が確立されると、受容体が脱感作状態に到達することが明らかになった。この「脱感作リング」の形成が、リガンド結合ドメインの擬似4回対称配置の誘導へつながり、受容体が静止状態へと戻るにはこれが崩壊しなくてはならない。

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