Nature ハイライト

生物地理学:新世界ザルの初期の移動

Nature 533, 7602

今回発見された化石サル類<i>Panamacebus</i>の近縁と考えられる、現生新世界ザルのオマキザル類。
今回発見された化石サル類Panamacebusの近縁と考えられる、現生新世界ザルのオマキザル類。 | 拡大する

Credit: Kristen Grace

南米と北米は約350万年前まで海で隔てられていたが、パナマ地峡の出現によってつながった。それに続いて起こった陸生動物の移動という劇的な出来事は、「南北アメリカ生物大交換(Great American Biotic Interchange)」として知られている。今回、パナマ運河の拡張に伴う新たな発掘で、意外にも、約2100万年前の前期中新世の新世界ザルの化石が発見された。これは、北米大陸で初めて見つかった化石サル類である。この発見は、前期中新世のカリブ海地域では現在考えられているよりも多くの動植物が海を越えて分散できたという説を裏付けている。

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