Nature ハイライト

超伝導:クーパー対凝縮体の可視化

Nature 532, 7599

超伝導は、逆向きの運動量とスピンを持つ電子の対が結合して、クーパー対と呼ばれる運動量がゼロの新しい量子状態を形成するときに生じる、というのが超伝導に関する従来の見方である。理論的には、有限の運動量を持つそうした対が存在し得るため、クーパー対密度が空間変調した状態が生じることになる。そのような状態は、極低温リチウム6ガスにおいて生成されているが、超伝導体ではこれまで観測されていなかった。今回、S Davisたちは、ジョセフソントンネル顕微鏡法を使って、超伝導性の顕微鏡探針からBi2Sr2CaCu2O8+xの量子凝縮体へトンネルするクーパー対を撮像し、空間変調されたクーパー対密度が予想どおり観察されたことを示している。

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