Nature ハイライト

物理:冷やして静かになった微小レバー

Nature 432, 7020

力を感知する微小なレバーをレーザーによって冷却することで、感度の量子限界の極限に迫る科学技術への見通しが開けた。 今週号でK KarraiとC H Metzgerは、金で被覆した、厚さがわずか460ナノメートルのシリコンのレバーにレーザー・ビームを反射させる方法を述べている。この方法により熱に起因するカンチレバーの振動を減衰させ、レバーの有効温度を絶対零度よりわずか18℃上の−255℃まで冷却することができた。熱振動はこのようなデバイスの誤差の主な原因であるから、この冷却方式は重力波の検出のような極めて高い感度を必要とする諸研究への道を開いたものといえよう。 「この微小カンチレバーにより、極めて微小な長さスケールで働く小さい力を、これまでより遥かに優れた感度で研究できるようになった」とP W MilonniとB M ChernobrodがNews and Viewsで述べている。

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