Nature ハイライト

システム生物学:酸素存在下での発酵は正常な現象である

Nature 528, 7580

大腸菌(Escherichia coli)で実験プロテオミクスの手法を使ってモデリングを行うことにより、呼吸を行うのに必要なタンパク質の量(生産されるATP 1個当たりで考える)が、発酵を行うのに必要なタンパク質量の2倍にもなることが明らかにされた。急激に増殖中の細胞で、酸素が存在するにもかかわらず、エネルギー生産の方法として発酵が採用される現象は、オーバーフロー代謝(がん細胞の場合にはワールブルク効果)として知られているが、今回の結果はこれが細菌の最適な増殖の必然的な成り行きであることを明確に示している。プロテオミクス資源配分の単純なモデルによって、オーバーフロー代謝系で観察される挙動の全てが説明でき、条件の変化に対する応答も正確に予測できた。この研究により、オーバーフロー代謝が単なる無駄な浪費などではなく、当然の増殖様式であることが実証された。ここで使われた実験方法は、生物工学やがんの研究に直接適用することができる。

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