Nature ハイライト

Cover Story:新薬につながる非コードRNA:細菌リボスイッチ中のバタフライ様に折りたたまれたエレメントを標的とする抗生物質

Nature 526, 7575

表紙は、細菌リボスイッチのRNAアプタマーに結合した低分子リボシル(ribocil)の共結晶構造。背景像は、このアプタマーの、リボシル結合時に観察されたバタフライ様に折りたたまれたコンホメーションを示している。新種の抗生物質が現在、可及的速やかに必要とされていることは周知のことである。メルク研究所(米国)のT Roemerたちは今回、細菌のリボスイッチを標的とする新たな合成抗生物質について報告している。リボスイッチは非コードRNA領域に存在し、その構造はリガンドの影響を受ける。リガンドは通常、リボスイッチを含む遺伝子によりコードされたタンパク質の機能に関連したものである。今回見つかった新薬のリボシルは、リボフラビン生合成に必要なribB遺伝子の、フラビンモノヌクレオチド・リボスイッチが仲介する発現を抑制する。リボシルは細菌細胞の増殖を阻害し、マウスモデルでの細菌感染治療に有効であった。

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