Nature ハイライト

地震:地震予知が復活?

Nature 431, 7012

「予知」という言葉は地震研究者の間では長い間禁句とされてきた。しかし、最近の研究の成果により地震の研究がより厳密に科学的になる可能性が出てきたおかげで、この言葉は近い将来用語集に戻ってくるかもしれない。 地震の専門家はこれまで、デマを恐れ、また地震がいつどこで起きるかをちゃんと予測することができないもどかしさのために、「予知」を避ける傾向があった。その代わりに、「予測」という言葉が好んで使われているが、これは本来的な予知不可能性という、より広い意味にとれるからである。 しかし、今週号のNews Featureが明らかにしているところによれば、この傾向は変わるかもしれない。米国地質調査所は、一般の予知に対する意識や期待が増加していることと科学の進歩を鑑みて、国立地震予知評価協議会を復活させる方向で動いている。「サイレント地震」や「非火山性微動」など、予測可能な周期性のありそうな現象が見つかったことで専門家の意気があがっている。都市全体の避難を順当だと認めさせるだけの専門的技術や意見を研究者が持つことは無理かもしれないが、もっとも強く揺れる地域を(ここではあえてこの言葉を使うが)予知することは可能になるかもしれない。

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