Nature ハイライト

宇宙物理学:星形成銀河中の一酸化炭素雲

Nature 525, 7568

くじら座の矮小不規則銀河であるウォルフ・ルントマルク・メロッテ(WLM)銀河は、金属量(ヘリウムより重い元素の量)が際立って少なく、太陽の金属量のわずか13%しかない。このことから、この銀河は、初期宇宙に近い条件下での星形成を研究するための有用なモデルとなる。M Rubioたちは、WLM銀河のCO雲を干渉計により観測した結果を報告している。この雲は、周囲を取り巻く原子やH2のエンベロープと比べて小さいが、その密度と柱密度は、天の川銀河中のCO雲としては典型的なものである。この雲のCO密度が典型的であることから、矮小不規則銀河中で形成されている星団の密度が巨大渦巻銀河の星団のものと類似する理由が説明される。この雲の質量は小さいため、こうした星団の質量も小さいことが示唆される。

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