Nature ハイライト

細胞生物学:食餌はミトコンドリアの健康状態に影響する

Nature 525, 7567

ミトコンドリアの機能調節についての研究で、A Telemanたちは、脂肪酸であるステアリン酸(C18:0)とタンパク質であるトランスフェリン受容体1(TFR1)が共にミトコンドリアの調節因子であることを突き止めた。C18:0は、TFR1をステアロイル化することでJNKシグナル伝達のTFR1による活性化を抑制し、ミトコンドリアの融合と機能を促進する。C18:0は食餌成分であり、興味深いことに動物細胞はC18:0レベルの上昇にも下降にも応答する。ショウジョウバエ(Drosophila)で食餌によってC18:0を補充すると、ミトコンドリア融合が亢進され、疾患モデルでパーキンソン病の原因遺伝子PinkParkinの欠失などの遺伝子異常によって引き起こされたミトコンドリア機能障害が緩和された。

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