Nature ハイライト

気候科学:水は用途によって違う

Nature 525, 7567

土壌水は、地下水や河川流のみならず植物の蒸散にも水を供給し、あらゆる目的に同等に利用できると一般に考えられている。今回J Evaristoたちは、過去の限られた研究に基づいて、世界各地のさまざまな観測点から得られた水素と酸素の同位体データを集めてデータセットを作り、生態水文学的な分離が常態であることを示している。植物が利用する水は、河川流の水と同位体的に異なる傾向があり、降水入力の水文学的な分離によって、異なる複数の水資源のプールが形成されることが示された。今回の知見から、既存の地表面モデルにおける植物の生理学過程と河川流のパラメーター化は、生態水文学的な分離を組み込むことによって、より現実的なものになる可能性が示唆される。

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