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地震:振動が作ったクレーター

Nature 427, 6970

2001年1月にインド北西部を襲ったブージ地震では、地下の堆積物が流体に変わる液状化が起こった。圧力が極端に大きくなったために広大な泥の海の中から堆積物が噴出して乾燥した砂のクレーターができたらしい。 リヒタースケールでマグニチュード7.7を記録したブージ地震は、有史以来インドで最悪の被害をもたらした地震の1つとなった。断層面の破壊は地表まで達しなかったが、地震による被害は15,000平方キロメートルの地域に及んだ。P A Rydelek とM Tuttleは地震の最中にできた二つの大きな乾燥したクレーターを調査した。クレーターから噴出した物質が空中を飛んだ距離から、土壌が液状化し、地下の圧力が急上昇したに違いないと彼らは結論付けている。それにより地表が変形してクレーターが形成された。 液状化の効果をモデル化することは容易ではないと彼らは言う。この現象をモデル化するには、土地の状態や地表の動きを決定する未知の要因を加える必要があるからだ。

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