Nature ハイライト

生化学:リボフラビンをさまざまに変化させる

Nature 522, 7557

酵素のUbiDとUbiXの構造と反応機構について、2つの詳細な研究が報告された。UbiDとUbiXは協働して芳香族基質の可逆的な非酸化脱炭酸を行い、また細菌のユビキノン生合成や、微生物による芳香族化合物の生分解に重要な役割を担っている。M Whiteたちは、UbiXがフラビンプレニルトランスフェラーゼであり、3つの環を含むリボフラビン系のN5とC6の原子に4番目の環(ジメチルアリル基)を共有結合によって付加する反応を触媒していることを示した。UbiXによって合成された珍しいフラビン誘導体であるこの補因子は、ユビキノン生合成経路の次の段階で、脱炭酸酵素であるUbiDによって使われる。K Payneたちは、クロコウジカビ(Aspergillus niger)のFdcタンパク質(UbiDのホモログ)が1,3-双極子付加環化という化学反応によって、芳香族カルボン酸の可逆的脱炭酸を触媒することを示した。これは、酵素が触媒する1,3-双極子付加環化反応の最初の例である。

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