Nature ハイライト

分子生物学:eIF3が持つ独特の機能

Nature 522, 7554

真核細胞開始因子3(eIF3)は一般的な開始因子と考えられてきたが、その調節不全は組織特異的な影響をもたらす。今回J Cateたちは、PAR-CLIP全トランスクリプトーム解析を用いて、eIF3が主に細胞増殖、分化およびアポトーシスに関連する一部のメッセンジャーRNA(mRNA)のみの翻訳に必要であり、翻訳を活性化あるいは抑制できることを明らかにした。eIF3の脱調節はある種のがんに関連するとされており、eIF3が特定のレパートリーの遺伝子の発現を制御するという知見は、特定のmRNAに対するeIF3の結合の抑制が有望な抗がん戦略となり得ることを示唆している。

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