Nature ハイライト

宇宙:小惑星がたどった遍歴

Nature 429, 6989

小惑星が示す色とその年齢の関係から隕石の起源に関する謎が解け、太陽系に起きた出来事の年代を決定する新しい方法が得られるかもしれない。 R Jedickeたちが論じているように、もし地上に衝突する大多数の隕石が主小惑星帯の小惑星同士の衝突に由来するとしたら、隕石とそのような小惑星の間でスペクトル特性、つまり「色」が同じでないのはおかしい。この謎に対する答えは、隕石が最近の衝突によってできたばかりのものであるのに対し、宇宙空間にある小惑星の表面は「宇宙風化作用」の影響を受けているということにある。宇宙風化作用は、放射線や微小隕石の衝突によって表面がゆっくりと崩れていくことをいう。 この関係に気づいた彼らは、衝突の履歴とスペクトル特性が分かっている小惑星のカタログを用い、年齢と色の関係をグラフ化した。この結果は重要である。なぜなら衝突の履歴が不明な小惑星の年齢を推定することができるからだ。

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