Nature ハイライト

細胞生物学:細胞周期の長さへの隠れた影響

Nature 519, 7544

細胞周期の長さの変動は、メッセンジャーRNAやタンパク質の生産や分解といった基本的な分子過程のランダムなゆらぎから来ると考えられている。今回N Balabanたちは、数千個の哺乳類細胞で細胞周期の長さを正確に測定し、そのデータに基づいて、いとこ同士に当たる細胞間には存在するが、母細胞と娘細胞の間では失われている、直感に反するような相関性について報告している。著者たちは、これらのデータを再現できる完全に決定論的なモデルに基づき、抗生物質などの薬剤投与に対する応答について細胞間で見られる不均一性が、これまで考えられていたほどランダムではない過程に起因する可能性を示唆している。

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