Nature ハイライト

Cover Story:風の中で育つ:降着円盤風は超大質量ブラックホールとそのホスト銀河の進化を駆動する

Nature 519, 7544

ブラックホールの降着円盤(橙色)とその中心から吹き出す風(青色)、そしてこの風によって駆動される分子ガスのアウトフロー(赤紫色)を表現した想像図。
ブラックホールの降着円盤(橙色)とその中心から吹き出す風(青色)、そしてこの風によって駆動される分子ガスのアウトフロー(赤紫色)を表現した想像図。 | 拡大する

Credit: ©ESA/ATG medialab

表紙は、中心領域から強力で大規模なアウトフローが吹き出している銀河の想像図である。F Tombesiたちは、近傍(z = 0.189)にあって、可視光により1型に分類され、強力な分子アウトフローが存在する超高光度赤外線銀河のIRAS F11119+3257のX線スペクトルに、やや相対論的な速度を有する強力な降着円盤風が検出されたことを報告している。こうした風のエネルギー特性は、活動銀河核の風が星間物質にエネルギーを移行させる効率的な方法となり得るという考え方と一致していて、そのような風が超大質量ブラックホールとそれらのホスト銀河の進化に影響を及ぼしているとする理論を裏付けている。

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