Nature ハイライト

発生生物学:組織の折りたたみに関わるアポトーシス

Nature 518, 7538

動物の発生の際には、上皮組織は折りたたまれて高度に組織化された三次元構造になるが、この過程には細胞骨格と細胞間結合の細胞自律的な再編成が関与している。だが、どのようなシグナルが、適切な折りたたみに必要な細胞のリモデリングを引き起こし、それを調整するのだろうか。M Suzanneたちは以前に、アポトーシス細胞死のパターンの1つが、ショウジョウバエ成虫の発生中の脚における関節の形成に必要であることを報告している。今回、著者たちは同じモデルシステムを用い、これらのアポトーシス細胞内で頂端部から基底部に伸びた非常に動的なミオシンIIの「ケーブル」を介した一過的な牽引力が、組織の張力を上昇させる機械的シグナルとして作用することを示す。周囲の組織の表層部におけるミオシンIIの安定化とともに、これが近隣細胞の再編成を指示して、上皮が折りたたまれる。アポトーシス細胞が発生で能動的な役割を持つという知見は興味深い。

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