Nature ハイライト

気候科学:最終退氷期における海洋のCO2の減少

Nature 518, 7538

南大洋における深海の炭素貯蔵域の対流は、退氷期の大気中CO2濃度の上昇に重要な役割を果たしていたと考えられている。しかし、退氷期における海洋表層の炭素含有量の変化を裏付ける直接的な記録はこれまで存在しなかった。今回、海洋のCO2放出のより直接的なトレーサーであるホウ素同位体組成変化(海洋のpH変化の代理指標となる)を使って、表層水(その一部は南大洋における深層水の湧昇に由来)が、最終退氷期の大気への炭素の重要な供給源となったことが示された。

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