Nature ハイライト

古生態:2段階に分かれて起きた太古の大量絶滅

Nature 434, 7032

2億5千万年前に地球の全海洋生物の95%を絶滅に追いやった事件は、複数の段階を踏んで起こったようだ。 このペルム紀末の生物大量絶滅事件が実際どんなものだったかはわかっていないが、大量絶滅の際のシアノバクテリアの個体群変動を評価した新しい研究は、海洋生物のほとんどを死滅に追いやった出来事が何段階かに分かれて起こったことを示唆している。 R Pancostたちは、中国南部の煤山地域の堆積岩でシアノバクテリアに特異的なバイオマーカー(2‐メチルホパンという脂質分子)の量と海洋動物絶滅のパターンとを比較した。そして、このときの生物絶滅事件は独立に2回あって、それぞれの後にはシアノバクテリアの増殖が最大になっていたことを見出した。この証拠は、ペルム紀末に海洋生物を大量に絶滅させた大惨事が、1回ではなく2段階に分かれて起こったことを裏づけるものだ。

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