Nature ハイライト
		
		
        
		
		免疫学:腸内微生物にとって良い宿主
Nature 514, 7524
健全な腸内微生物相の存在は宿主の健康にとって重要なので、感染に対して宿主の全身が応答する際に、「良い」微生物を守るために宿主の資源が費やされたとしても不思議ではない。そうした資源の投入の1つが、L-フコシル化である可能性がある。糖タンパク質や糖脂質に結合しているL-フコースは、微生物にとっては利用可能だが、宿主のエネルギー摂取には利用できない。今回J Pickardたちは、マウスの全身をToll様受容体リガンドに曝露すると、樹状細胞やインターロイキン(IL)-22に依存した機構を介して小腸上皮でフコシル化が誘導されることを明らかにした。フコシル化したタンパク質の一部は腸管内腔へと放出され、フコースはそこで遊離されて腸内微生物相の栄養源となり、宿主にとって有益な短鎖脂肪酸の産生に寄与する。
2014年10月30日号の Nature ハイライト
- 古生物学:哺乳類系統の初期の分岐
- 心血管生物学:間葉内皮転換による心臓修復
- 構造生物学:PRC1ユビキチン化モジュールの構造
- 宇宙:星形成における磁気モーメント
- 宇宙:GG Tau Aにおける惑星形成の可能性
- 量子物理学:レビトンによって可能となった電子量子トモグラフィー
- 気候科学:最終退氷期における炭素循環の変化
- 進化生物学:海綿動物におけるAntennapediaクラス遺伝子の進化
- 免疫学:腸内微生物にとって良い宿主


