Nature ハイライト

医学:マイクロRNAは癌に重要な役割を果たす

Nature 435, 7043

ここ数年で、「マイクロRNA」と呼ばれる新しい種類の遺伝子調節因子がヒトの正常な成長や発生に影響を及ぼすことが明らかになった。今回3つの研究チームがそれぞれ独自に、マイクロRNAは正常な成長にかかわるだけでなく、ヒトの癌にも重要な役割を果たすことを発見した。  G Hannonたちは、あるマイクロRNA群がマウスで血液の癌を引き起こすことを、そしてJ Mendellたちは、ヒトの癌の原因になることが知られているある遺伝子と、いくつかのマイクロRNAが協調して働くことを明らかにしている。さらにT Golubたちは、ヒトのさまざまな癌には、それぞれ異なるマイクロRNAを持つという特徴があることを見出した。このことは、マイクロRNAプロファイルをヒト癌の診断に利用できる可能性を意味している。  またNews and ViewsではP Meltzerが、これらの重要点をまとめて、「今回の3つの研究は癌遺伝学の展望を変えるものだ。最も一般的な癌と特定のマイクロRNAの発現との結びつきが明らかにされ、マイクロRNAが癌の発生や癌遺伝子に与える影響について詳しいことがわかってきたからだ」と述べている。

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