Nature ハイライト

進化:ユタ州にいたテリジノサウルス類恐竜

Nature 435, 7038

新種の恐竜の化石が米国で発掘されたが、この種類の恐竜が北米で見つかったのは、これが初めてだ。ユタ州のシーダーマウンテン累層で見つかったこの骨の持ち主は、テリジノサウルス上科の恐竜で、肉食から草食へ移行する初期段階にあったらしい。  報告したJ I Kirklandたちによると、この新種恐竜の化石標本は頭骨、骨盤、脚の骨で、年代はおよそ1億3,000万年前の白亜紀前期である。この恐竜は身体を起こして歩行していたと思われ、その時の体高は1 mほどだった。歯が葉のような形をしていることや、より長い腸を収容するために骨盤が広くなっていることから、草食性へ移行中の段階だったとみられる。この発見によって、テリジノサウルス上科恐竜がアジアで出現したとする説は大きく揺らぐことになる。アジアでこれまでに見つかった化石標本では、草食性がもっと進んでいるからだ。

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