Nature ハイライト

免疫学:自然免疫を標的とする結核治療

Nature 511, 7507

結核は、多剤耐性結核菌(Mycobacterium tuberculosis)の蔓延とHIV感染流行が引き起こす合併症の結果として、公衆衛生にとって再び大きな脅威となっている。そして、包括的な効果のあるワクチンはまだ存在しない。今回、米国全域に加えて、ブラジル、中国、インドにある研究施設が参加した共同研究によって、マウスの結核モデルで自然免疫を標的とする免疫療法が開発された。この方法は、活動性結核で過剰に存在するI型インターフェロンと、防御機能を持つと考えられているインターロイキン1という、逆の働きを持つ2つのサイトカインを操作するというものだ。K Mayer-Barberたちは、これらのサイトカインがエイコサノイドを介して機能的につながっていることを示している。この研究は、宿主のエイコサノイドネットワークを対象とする治療法についての概念立証となり、また従来の化学療法に対する実現可能な代替手段を示唆している。

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