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気候科学:予測されるインド洋の極端な気候

Nature 510, 7504

2007年にスーダン東部のカッサラで発生した洪水。温暖化に伴い、今後こうした災害の頻度が増す恐れがある。
2007年にスーダン東部のカッサラで発生した洪水。温暖化に伴い、今後こうした災害の頻度が増す恐れがある。 | 拡大する

Credit: MOHAMED NURELDIN ABDALLAH/REUTERS

熱帯の南インド洋周辺諸国では、インド洋ダイポール(IOD)の気候サイクルが極端な正の位相にある時期に広範囲にわたって洪水や干ばつが起こる傾向がある。例えば1961、1994、1997年などの気候状況の悪かった年では、インド洋の西側の領域に暖かい海水が現れて降水が増加するのに対し、東側の領域では冷たい海水が支配的となり、降水は減少している。今回、W Caiたちは、温室効果ガスの排出量を多く設定したシナリオでの気候モデル予測を評価して、極端な正のIODの頻度は、20世紀の17.3年に1回から、21世紀が終わるまでには6.3年に1回へ増加する可能性が高いことを見いだしている。

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