Nature ハイライト

免疫学:ヒト幹細胞の遺伝子編集

Nature 510, 7504

遺伝子追加導入技術は、いくつかの遺伝病の治療に用いられてきたが、毒性は依然として大きな問題である。そのため、欠陥のある遺伝子のみを標的とする遺伝子修復が、代替案として期待されている。L Naldiniたちは今回、ヒト造血幹細胞(HSC)での標的ゲノム編集に成功したことを報告している。彼らは、遺伝子送達プラットフォームと培養条件の調整によって、これまでにあった障壁を乗り越えた。そして、健常ドナーと、X連鎖重症複合免疫不全症(SCID-X1)の患者に由来するHSCのIL2RG遺伝子の変異ホットスポットへ修正用のcDNAを挿入することで、この戦略が治療に使える可能性を示した。遺伝子編集されたHSCは機能を持つリンパ系細胞を生み出し、それらは細胞を破壊するIL2RG変異を持つリンパ系細胞に対して、増殖に関する選択的な優位性を示した。

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