Nature ハイライト

構造生物学:細菌の集光性複合体の構造

Nature 508, 7495

光合成生物は、太陽光エネルギーを細胞が利用できる形へと変換する。三木邦夫(京都大学)たちは今回、細菌の完全な集光性アンテナ–反応中心(LH1–RC)複合体について得られた、ほぼ原子レベルでの最初の構造を解いた。この複合体には、Ca2+などのさまざまな補因子が結合している。そのLH1サブユニットは、反応中心を取り囲む環を形成していて、補因子であるバクテリオクロロフィルとスピリロキサンチンは環の内部に、Ca2+はLH1のペリプラズム側に位置している。その構造は、エネルギーがアンテナ色素から反応中心へと高い効率で移動する仕組みを示しており、またユビキノンが閉じたLH1障壁を横断する方法が示唆されている。

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