Nature ハイライト

構造生物学:CAAXプロテアーゼの構造

Nature 504, 7479

RasやRhoなどの低分子量GTPアーゼなどのCAAXタンパク質のシグナル伝達機能は、細胞膜に正しく配置されることによって決まる。膜に占める位置を制御するのは、そのC末端にあるCAAXモチーフの翻訳後修飾、つまりシステインのプレニル化、エンドタンパク質分解、カルボキシプレニル化されたシステイン残基のメチル化である。今回D Barfordたちは、古細菌のMethanococcus maripaludis由来の膜内在型タンパク質であるCAAXプロテアーゼRce1(Ras and a-factor converting enzyme 1)の結晶構造を明らかにした。この新規な膜内プロテアーゼの構造から、ロンボイドのようなこれまで知られているプロテアーゼとは異なる触媒機構が明らかになった。この研究は、Rasシグナル伝達経路を遮断する可能性のあるCAAXモチーフプロセシングのアンタゴニスト開発に役立つと考えられる。

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