気候：気候強制力は自然起源と人為起源のエアロゾルのどちらが大きいか

エアロゾルが雲のアルベドに与える影響、つまり気候に対するエアロゾルの強制効果を確定することは、現代の気候科学における最も難しい問題の1つである。常在する大きな不確実性は、主に人為起源の放出と関連していると暗黙裡に仮定されることが多い。言い換えれば、人為起源の影響の理解が進めば、全体的な影響も理解できるということだ。今回K Carslawたちは、エアロゾルと前駆気体の放出に加えて、雲の明るさに影響を与える可能性があるその他の要因を表す28のパラメーターの解析結果を報告している。産業革命以降（1750年頃以降）のエアロゾルの強制力の変動のうちのわずか34％が人為起源の放出に伴うものであり、45％は火山性の二酸化硫黄や海洋のジメチルスルフィドなどの自然源からの放出と関連していることが見いだされた。今回の結果は、人為起源のエアロゾルに対する解明の進展だけによって得られる進歩の大きさに疑問を投げかけるとともに、自然起源のエアロゾルが支配的であった産業革命以前の環境におけるエアロゾルの影響についても、さらに解明を進める必要があることを示唆している。

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