Nature ハイライト

細胞生物学:オートファジーと繊毛形成とのつながり

Nature 502, 7470

一次繊毛は、シグナル伝達を行う非運動性の細胞小器官で、細胞膜の特定の領域に見られ、そこでシグナル変換と栄養レベルなどの環境シグナルの感知との両方の機能を発揮している。今回、2つの相補的な論文が、繊毛形成とオートファジーの今まで知られていなかったつながりについて報告している。Z Tangたちは、繊毛形成の負の制御因子であるOFD1(oral-facial-digital syndrome 1)が、中心小体サテライト(centriolar satellite)でオートファジーによって分解されることにより、一次繊毛の形成が促進されることを示している。O Pampliegaたちは、繊毛形成とオートファジーの間に逆の相関関係があることを見いだし、一次繊毛は飢餓によるオートファジー活性化に必要であり、オートファジーは繊毛形成を負に調節することを明らかにしている。一次繊毛とオートファジー経路の間のクロストークはさらに、ヒトの繊毛病に関する我々の理解とも関係してきそうだ。

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