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進化:雄の派手さと寿命のトレードオフ

Nature 502, 7469

角のサイズが異なる3頭の雄のソアイヒツジ。
角のサイズが異なる3頭の雄のソアイヒツジ。 | 拡大する

Credit: Peter Korsten

動物の雄は雌を引きつけるために、例えばシカの枝角や鳥の飾り羽根、ヒトのスポーツカーのように、コストのかかる派手な装飾を誇示する場合が多い。しかし、こうした装飾が非常に有利に働くからといって、これらの形質がすぐに集団内に定着するかというと、そうではない。誇示する装飾形質の大きさや派手さには、常にある程度の遺伝的変動が存在する。これは通常、複数遺伝子が関与しているためか、あるいは雄の形質の派手さと雌の健康がトレードオフ関係にあるからだと説明されている。しかし今回、第三の説明として、繁殖と生存率の間にトレードオフ関係があるという、拍子抜けするほど簡単な説が提案された。ソアイヒツジでは、角の大きい雄の繁殖成功度が高いが、遺伝的変動がかなり大きく、多くの雄は角が極めて小さい。角の大きさに強く関係しているのは、RXFP2というたった1つの遺伝子である。今回の研究で、この遺伝子の1つの対立遺伝子によって雄の角は大きくなり、多くの雌を引きつけるが、別の対立遺伝子によって角は小さくなり、長命となることが明らかになった。また、これらの対立遺伝子のヘテロ接合体は角の大きさが中程度だが、長命で繁殖成功度も高くなる。

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