Nature ハイライト

宇宙:赤色巨星から白色矮星になる脈動星

Nature 498, 7455

外層を剥ぎ取られた赤色巨星は、低質量の白色矮星になる前にほぼ一定の光度を保ったまま進化して、その有効温度がさらに高くなる。連星系であることが最近わかったJ0247-25として知られる系では、このような異常な進化状態にある星(J0247-25B)が、見かけ上は通常のA型星であるJ0247-25Aによって完全な食を受けている。新たな分光測光観測法を使って、この両方の星の正確な天体物理学的パラメーターが得られた。このデータは、より高温である白色矮星前駆天体が水素の厚い外層を持っているとするモデルと一致する。このことは、非常に低温で低質量の白色矮星は、パルサーである伴星から受ける放射、あるいは不安定な水素核融合(殻フラッシュ)の発生によって、その厚い外層を失ったことを示唆している。J0247-25Bの脈動が見つかったことから、低質量白色矮星の構造を研究する新たな観測の機会が得られる。

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