Letter
宇宙:食連星系における外層を剥ぎ取られた赤色巨星の多重周期の脈動
Nature 498, 7455 doi: 10.1038/nature12192
低質量白色矮星は、連星系ミリ秒パルサーなどのエキゾチックな連星系に見られる、破壊された赤色巨星の残骸である。低質量白色矮星は急激に冷えるものもある一方、表面の厚い水素層での安定な核融合のために、数百万年の間輝き続けるものもある。2つにはっきり分かれる理由はよくわかっておらず、そのため低質量白色矮星を、パルサーのスピンダウン年齢を検証するための独立した時計として、あるいは低質量白色矮星が形成される極端な環境を探査する手段として利用できる可能性が完全には生かしきれていない。本論文では、低質量白色矮星の前駆天体の質量と半径を精密に計測したことについて報告する。我々は、この破壊された赤色巨星が厚い水素の外層を持つとするモデルのみが、我々のデータから与えられる強い制約に適合することを見いだした。従って、非常に低温の低質量白色矮星は、パルサーの伴星からの放射、または不安定な核融合事象(殻フラッシュ)によって、厚い水素の外層を失ってしまったに違いない。さらに我々は、この低質量白色矮星の前駆天体が、これまで観測されていない脈動星の一種であることも発見した。観測された脈動の周期は、この星が殻フラッシュを受けるかどうかを決定する内部過程に敏感である。

