Nature ハイライト

脳:認知に働く非特異的なニューロン

Nature 497, 7451

動物が認知課題を実行する際、前前頭皮質の個々のニューロンは多くの場合、その行動に関連するさまざまな様相に「同調している」。その結果、応答が複雑に混じり合って解釈が難しくなることが多い。今回行われた、提示順序記憶課題を遂行中のサルの神経活動に関する研究は、前前頭皮質で混合選択性(mixed selectivity)のニューロンが多数を占めることが、実行中の機能に重要かどうかを調べるために設計されたものである。その結果、混合選択性を持つニューロン群は、課題に関連する単一の相だけを符号化するように高度に特異化したニューロン群が持つ情報と同程度の情報を持つことが示唆された。予想に反して、混合選択性ニューロン群は、特異化したニューロン群よりも、計算論的にいくつかの点でかなり有利となる。この研究のために開発された、神経活動記録から豊富な情報セットを引き出す新しい計算方法は、広く観測されるにもかかわらずほとんど解析されてこなかった混合選択性ニューロンの研究をもっと容易にするだろう。

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