Nature ハイライト

発生:マイクロRNAは、細胞分裂と栄養状態を結びつける

Nature 497, 7450

線虫(Caenorhabditis elegans)の一齢幼虫は、栄養が不足している時に孵化すると、後胚発生が開始されず、栄養状態がもっとよくなるまで体細胞前駆細胞(芽細胞)の分裂が停止する。これまでの研究で、インスリン/IGFシグナル伝達経路が、この芽細胞の休眠状態を調節することが報告されている。今回、マイクロRNAのmiR-235がインスリン/IGFシグナル伝達経路の下流で働いて、芽細胞の休眠を調整することが明らかになった。飢餓状態では、miR-235はグリア細胞と皮下組織の両方で発現し、重複して働いて休眠状態を調節している。そして摂食が始まるとインスリン/IGFシグナル伝達が活性化されてmiR-235発現が抑制され、芽細胞の再活性化が促進される。

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