Nature ハイライト

宇宙:天王星と海王星の気候は薄い層に閉じ込められている

Nature 497, 7449

1989年8月、ボイジャー2号が海王星に最接近した際に撮影された画像。中央と下には「ダークスポット」と呼ばれる暴風帯が見られる。
1989年8月、ボイジャー2号が海王星に最接近した際に撮影された画像。中央と下には「ダークスポット」と呼ばれる暴風帯が見られる。 | 拡大する

Credit: NASA

巨大惑星で大気循環と気候がどれだけ深部にまで広がっているかは、数十年来の議論の的となっている。Y Kaspiたちは、ボイジャー2号とハッブル宇宙望遠鏡を使って天王星と海王星の風速を観測した結果と、重力場データと大気モデリングを組み合わせ、この2つの惑星の風が深さ1000 km以下の薄い「天候層」に閉じ込められていることを計算によって見いだした。この知見から、こうした風を支配している力学は、深い大気循環ではなく、浅い過程に由来することが示唆される。今回使われた方法論は、低い軌道を通過するジュノー探査機やカッシーニ探査機による観測から得られると期待される、木星や土星の詳細な重力場データにも応用できるはずだ。

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