Nature ハイライト

Cover Story:宇宙の秩序: 天の川銀河と「双子」の関係にあるアンドロメダ銀河(M31)を周回している矮銀河の軌道平面

Nature 493, 7430

巨大渦巻銀河は、もっと小さな系が階層的クラスタリングとして知られる過程により集合して形成される。こうした巨大銀河の周りの軌道上には矮小銀河があり、矮小銀河は銀河の前駆天体の残骸だろうと考えられている。天の川銀河の周りの矮小銀河に関する最近の研究結果から、一部の天文学者は矮小銀河の軌道が無秩序に分布しているという考えに疑いを持つようになってきた。この疑いは、銀河形成に関する現在の理論に疑問を投げかけるものである。天の川銀河の近傍にあるアンドロメダ銀河は、多くの点で天の川銀河の「双子の片割れ」とされているが、共回転している複数の矮小銀河が形成する平面が、アンドロメダ銀河周囲の整然としたパンケーキ様の構造として発見されたことは、こうした考えを裏付けている。この構造はきわめて薄いが、それでもアンドロメダ系の矮小銀河のほぼ半数が含まれている。今回、平面内にある15の衛星銀河のうちの13個が同方向の回転をしていることが報告された。表紙は、アンドロメダ銀河の実際のカラー画像で、2つの衛星銀河が見えている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度