Nature ハイライト

宇宙:タイタン大気に見られる季節大変動

Nature 491, 7426

カッシーニ探査機がとらえた衛星タイタンの姿(昼側)。写真下の南極上に、もやの蓄積が確認できる。
カッシーニ探査機がとらえた衛星タイタンの姿(昼側)。写真下の南極上に、もやの蓄積が確認できる。 | 拡大する

Credit: NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute

NASAのカッシーニ探査機が2004年に土星系に到着したときの探査目的の1つは、土星の最も大きい衛星タイタンの季節的挙動を観測することであった。タイタンには地球大気に匹敵する窒素に富んだ大気がある。季節が移り変わるにつれ、観測による成果が出始めている。今回N Teanbyたちは、中層大気内の春分点後の循環反転を観測した約2年後の、タイタンの南極上での微量ガス蓄積について報告している。そのデータから彼らは、中層大気循環がこれまで考えられていた高度450〜500 kmではなく、タイタンの地表から少なくとも600 km上空にまで広がっていなければならないと結論付けている。これらの発見から、活動的な上層大気化学と、以前は大気境界とみなされていた450〜500 kmにある孤立したもや層に対する別の解釈が必要になると考えられる。

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