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免疫:サルモネラ菌はカスパーゼ11に依存する細胞死を悪用する

Nature 490, 7419

インフラマソームは自然免疫系の中心となる多タンパク質複合体だが、これまで知られているインフラマソームの大半は炎症性のカスパーゼ1を活性化することで細胞死を誘導する。最近、カスパーゼ11を標的とするインフラマソームが見つかったことは、この分野の研究が新たな方向に進むきっかけとなった。今回、細胞内感染のモデルであるサルモネラ菌感染マウスで、カスパーゼ1とカスパーゼ11の役割が調べられ、カスパーゼ1による免疫の誘導がない状態でネズミチフス菌(S. enterica Typhimurium)によるカスパーゼ11の活性化が起こると、マクロファージの細胞死が誘発されるために細菌が広がって、発病につながることが明らかにされた。カスパーゼ11の活性化が宿主に対して同様の有害な作用を示すかどうかを、ほかの感染症モデルでも明らかにすることが重要と考えられる。

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